― 一の言葉 ―

 

 

 

           「さすが星彩様ですな!此度の目覚しいご活躍、まさしく蜀の光です!」

 

              まるで無くてはならなかった大きな背を持ったあの猛き方のように、私をそう称す言葉。

 

              「星彩様…、今回はどうか殿のお傍に…」

 

              まるで自分よりもこの国と人々を大事にしていたあの方のように、私を案ずるその言葉。

 

              どちらも私を思う気持ちがある。

 

              それに“私の決めた道”が揺らぐことも惑うこともないけれど。

 

 

 

              「この間の戦、父上たちの怪我がいつもより少なかったと典医が言っていたんだ」

 

 

 

              まるで同じ目線を持つように君が嬉しそうに言っていた、その言葉。

 

              頷いて、微笑むことが出来たそれが今は酷く遠く、

 

              それに“私たちの決めた道”が少し、霞んだ。

 

 

 

 

              誰かの言葉に、私は道を見据える。

 

              ただ、その道の先へ進む力は、あの知らず大きくなっていた彼が支えていたのだと、

 

              誰かではない唯一の言葉を、そう思い返した。

 

 

 

                                                          05.03.24UP

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              悲恋…が好きなわけではないのですが、星彩伝をクリアしたら書いてしまいました。

              あっさりと関羽や関平のことを語っていたけれど内心では深く悲しんでいたのでは、と。

              超SSですが、お読み頂きありがとうございます

 

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